嫡男とは〜意味や対義語、長男との違いなど、わかりやすく解説〜
歴史に関する文章を見ていると、嫡男という言葉を目にする機会も多いかもしれません。
この記事では、嫡男の意味や、対義語、長男との違いなどを、わかりやすく解説したいと思います。
まず、嫡男とは、嫡子とも言い、正室(正妻)の生んだ男子のうち、最も年長の子供を意味します。
女子の場合は、嫡女と言います。
たとえば、甲斐国の戦国武将である武田信玄で言えば、信玄は、父の武田信虎の嫡男に当たり、後継者となります。
一方、その武田信玄の嫡男で、本来は後継のはずだった武田義信は、信玄の暗殺未遂に関わった謀反の罪で幽閉され、廃嫡されます(廃嫡とは、「何らかの理由により、嫡子に対し相続する権利を廃すること。あるいは、嫡子側から見て、権利が廃されること」を指します)。
結局、武田家は、次男が盲目のため出家、三男は早くに亡くなっていることから、信玄の四男である、勝頼が後継となったのです。
また、時には、たとえ側室の子供であっても、正室がそれと認めた場合、嫡男とされることもあります。
さて、嫡男は、ときおり長男と混同されることがありますが、嫡男と長男では、微妙に意味が違います。
たとえ長男であっても、正室(正妻)ではない女性、すなわち側室の生んだ子の場合、「正室の生んだ次男のほうが嫡男」となるので、両者は同じとは限りません。
この嫡男の対義語に近い言葉としては、正妻ではない女性から生まれた子供を意味する庶子という言葉があります。
また、法律上の婚姻関係にある男女から子供が生まれることを意味する嫡出の対義語として、庶出という言葉もあります。
庶子というのは、正室(本妻)以外の女性から生まれた子供を差すだけでなく、婚姻関係にない相手との子供全般を意味することもありますが、主に「側室や、めかけの子供」を指し、現代ではほとんど使われていません。
現代社会では、庶子の代わりに、「非嫡出子」や「婚外子」といった用語を使います。
以上、嫡男の意味や対義語でした。